で、香山リカである。

去年新書で最も売れたという「しがみつかない生き方」は、
何事もほどほどに、ささやかな幸せや楽しみを噛みしめて
生きていければいいじゃん……という、
勝間と対極を成す内容だった。
勝間を目指して頑張り続けていた女性たちや、
24時間戦い続けていた一般リーマンは、これを読んで
ホッと胸を撫で下ろしたのではないだろうか。
格差の広がるなかで、売れたのも頷ける。


そして、「大事なことは先のばしにしなさい」という本では、
「後悔や挫折や失敗がたくさんある人は、それだけ人生のうまみを
味わい尽くして生きているのだ」とフォローし、
「人間の健康に最もよくないのはストレスである」として、
やりたくない運動やダイエットを無理してやることはない、という。
いわば、マイペースでのんびりいけばいい――という主旨だ。
この香山の一連の著作を、ワタシは個人的に「ぐうたらシリーズ」と
名付けている(^^;)。


それにしても、ここのところの香山リカの出版ペースはすごい。
新書コーナーはこの人の本だらけだ。これでは、
「全然先のばししてねえぞ!」「ほどほどじゃなく、
出しすぎだろう!」と言いたいくらいだ(^^;)。