高倉健

CSで高倉健の特集をやっていた。健さんはいわば私の
同時代人なので、「駅」「あ・うん」などを懐かしく見る。
気がついたのは、登場人物が所かまわずタバコを吸っていること。
嫌煙権も分煙もない時代だから当然だが、いま見るとなんだか
懐かしい気もする。もっとも、演出的には人物のカッコをつける
意味で、タバコは便利な小道具ということもあったに違いない。
一方、スクリーンのこちら側も同様で、学生時代によく通った
池袋の文芸坐なんて、場内はタバコの煙がもうもうと充満しており、
画面が見えないのでは?と危ぶんだほどだった。それほどに観客が
入っていた、ということでもあるのだが。


で、もうひとつ気がついたのは、カメラのズームアップが多いこと。
遠くからググッとレンズが人物に迫る撮影技法はたしかに迫力があり、
60~80年代には盛んに使われていた。
しかし、人間の目としてはありえないことなので違和感が際立ち、
最近はさっぱり使われていない。「駅」は高倉健の代表作のひとつだと
思うが、このズームアップがけっこう使われていて、
ああ時代だなあ……と、ちょっと興醒めしてしまった。
ま、それも含めて懐かしい気分に浸れたけど(^^;)。