無力

「無力(むりき)」(五木寛之)を読む。物事の正否や善悪に
はっきり決まった答えはないし、抗うでもなく流されるで
もなく生きていくことが大切ではないか。他力でも
自力でもない、無力で生きていこう、と説く(かなりおおまか)。
五木の造語力には感心する。これまで、「悩む力」とか
「聞く力」とか「断る力」とか、さんざん流行った「力」の
タイトルだが、「無力」とは出るべくして出たタイトル、と
いう気がする。この分野(?)で、これ以上のタイトルは
もうつけられまい。


五木は60歳のころ、好きだった車の運転を止めたそうだ。
自分の思うように車をコントロールできなくなった
から、とか。
ワタシも、しみじみ車の運転は向いてないというのが、
この頃やっと分かった。なにしろ、警察の姑息な取り締まりに
捕まって、だいぶ余分な税金を納めたからなあ(^_^;)。
そういうのを感知する能力とか、ドライバーの危ない挙動を
予測して避ける能力もまた、運転には必要だ。
自転車で走っていると、危険な目に遭うことが多いので、
なおさらそう思う。
そういえば、自転車はきわめて無力な乗り物……という感じも
するなあ(と、強引な結論w)。