大傑作

夜に生きる」(デニス・ルヘイン)を読む。
禁酒法時代に、ギャングとしてのしあがっていく青年の物語。
そもそも、いまをときめくベン・アフレック監督の次回作として
映画化が決定していることを知り、それは面白いに違いないと思って
とりかかったのだが、いやはや期待以上、無類の面白さだった。
ここ十年でもこれほど読み応えのある作品はなかったような気がする。
今年の各種ミステリコンテストでは、ぶっちぎりのベストワンでは
ないだろうか。
波瀾万丈、予想を裏切る展開で読ませる3部構成は、かの名作に
なぞらえれば、「仁義なき戦い・ボストン青春編」、
「同・フロリダ死闘篇」、「同・キューバ進攻作戦」といったところか。


こうなれば、映画の方も大いに期待してしまう。ただ、唯一気に
なるのは、ベン・アフレックが主演もするのでは?という点だ。
あの間延びした顔と演技では、魅力的な主人公も台無しではないか(^_^;)。
ワタシがプロデューサーなら、彼に言うだろう。
「アカデミーを獲った後の作品だから、これは重要だ。君が大監督に
なれるかどうかは、これで決まるくらいに。主人公は20代という
若さだから、それに見合ったフレッシュな俳優を起用したほうがいい。
君は、年齢的にも主人公の兄の役がピッタリだと思うよ。
出番は少ないが、重要な役だ。今回は、演出に専念しよう!」と。
あくまで、「だれも君の顔と演技は見たくないんだから」という本音は
おくびにも出さず、〈映画のため〉を前面に押し出して説得するのが
ポイントだ。
……って、オレってなに様?www
いやはや、それほど面白かったので、映画もぜひ成功してほしい、と
いう切実な希望の表れなのでありました(^_^;)。