やる気

「炭水化物が人類を滅ぼす」(夏井睦)でもっとも
衝撃的だったのは、いわゆる三大栄養素のひとつ
である糖質(炭水化物)をあっさり否定
していることだ。
人間の生存に欠くことのできない必須脂肪酸
必須アミノ酸に関しては、食事で体外から
取り入れるしか方法がないが、炭水化物については、
体内にタンパク質さえあれば「糖新生」という
機能によって自分で作り出されるからだ――という。
つまり、炭水化物を摂らなくとも、健康にはまったく
問題はない。むしろ炭水化物を摂ることは、糖尿病や
多くの生活習慣病の原因を作り出すだけだ――と
いうのである。
天動説が地動説になったような大転換であり、
読んでいて目が点になった。あまりの大胆な仮説?に、
多くの人から反論・反発を受けるゆえんでもある。


しかしこれは、自分の体験からも、大いに頷ける。
糖質を摂らないと、あまり腹が減らないので食事の
回数が減ってくるし、食べる量もそれほどいらない。
甘いものを食べ続けると、ワタシの場合歯茎が
腫れやすいのだが、糖質を控えるとそれもなくなる。


そして、著者の次の言葉にも共感した。
糖質制限に体が慣れると、自分が以前ほど食事に
執着していないことに気がついた。毎日同じものを
食べているから単調といえば単調な食事だが、
不思議にそれが苦痛でも不満でもないのだ。
空腹感を感じたから食事を食べているし、
生きていくためには食べなければならないが、
それ以上でも以下でもないのだ。世の中には
食べることが何より楽しみ、人生の喜び、という
人がいるが、一方で食べることを楽しみとしない
人生も可能なのだ。糖質制限に目覚めなければ、
このような食事に執着しない人生がある、なんて
絶対に気がつかなかったことだ」。


糖質制限と少食を実行していると、確かに
そういう心境になる。体が軽くなり、不思議と、
そこはかとなくやる気も出てくる。人生には、
食べることより大事なことや、やるべきことが
あるだろう!――なんて青雲の志(?)が
湧き上がってくる。
やることがないのが、残念なくらいだ(^_^;)。