善意

いつも荷物を届けてくれていた宅急便の兄ちゃんを、
最近見なくなった。ク◯ネコは、基本的に同じ地区をずっと
担当するらしいから、辞めたのだろうか。


この兄ちゃん、荷物を渡すときに、「◯◯様からです」とか
「◯◯社さんからです」と、いちいちでかい声で言って
くれるのである。本人にしたら、善意というか気を利かせた
つもりでやっているのだろう。その気持は評価したいのだが、
なんだかプライバシーをご近所にさらされるようで、
ちょっと気になったものだ。
そもそも誰が送ってきたかなんて、伝票を見ればわかることだし。


しかし、「それ、言わなくていいから」とか「いつも同じところ
からだから、わかってますよ」とか、彼が傷つかないような
お断りのフレーズをあれこれ考えつつも、結局何年間もズルズル
言えずにいた次第。しまいには、宅急便のクルマのエンジン音が
聞こえたら、ドキドキするようになっていた。
あ〜、心臓にわるい……って、なにを悩んでんだか(^_^;)。
だから、彼がいなくなって、ちょっとホッとしたのが本当のところだ。


しかし、かくも長き不在は、人のこころを変える。
いまとなっては、彼の熱心さというか創意(?)が懐かしい。
ただ荷物を届けてくれるだけの宅急便が、なぜか無味乾燥に
思えたりする。
あれもある種の、日本的おもてなしサービスだったのか?と、
いまとなっては思う次第であります(^_^;)。