鳥人

イミテーション・ゲーム」に続いて見たのが
「バードマン」。アカデミー作品賞をとったので、
一応期待していたのだが、あまり感心しなかった。
いわゆるバックステージもので、かつてのスーパー
ヒーロー映画で一時代を築いたものの、いまは
落ちぶれた俳優が、ブロードウェイでの芝居を
成功させようとする四苦八苦ぶりを描いている。
いかにも業界人に受けそうな内容というのは分かるが、
自分には乗れなかった。
始まって数分たって、「何が言いたいのか、早く主旨を
10字以内にまとめて教えてくれ」と、脳内で
つぶやいていた(^_^;)。


しかし、演技的、映画技法的な面ではすごい。
マイケル・キートンはこんなに巧かったのかと思わせる
一世一代的演技でうならせるし、ワンシーン長回し
目まぐるしく動くカメラワークは、まるでその場に
いるような臨場感を体感させられる。なんだか力技で
強引に引っ張られて見終わってしまった印象だ。
この監督は、「21グラム」を撮った人だが、あれも
あまり感心しなかった。ま、相性が悪いのだろう。


この日は続けて2本見たわけだが、「バードマン」の
あまりの迫力あるリアル感に、せっかくいいと思った
イミテーション・ゲーム」が、なんだか作り物めいた(?)
印象を覚えるほどで、そういう意味では見る順番を
逆にすればよかった……と、しみじみ思ったのでありました。