Sarah's Key

レンタルDVDで「サラの鍵」を見る。
沢木耕太郎推薦シリーズの1本。
ソフィーの選択」同様、ホロコーストの悲劇のトラウマを
描いたドラマだ。またホロコーストものかよ……といささか
食傷気味で見はじめたのだが、 1942年当時と現代を並行して
描く手法が効果的で、 前半のサスペンスフルな逃走劇仕立て、
後半のドラマチックな出会いと、じつによくできた
ストーリー展開で飽きさせない。


迫害され、生き残った少女サラの苦しみとその後の人生に
思いを馳せると胸が詰まるが、ラストにほのかな希望も
窺わせて救われる。
意外なほどの感動作だった。2011年公開作だが、
リアルタイムで見ていたら、その年のベスト1にしたに違いない。
主演のクリスティン・スコット・トーマスは、
イングリッシュ・ペイシェント」も好きだが、これが
最高作ではないだろうか。


勢いに乗って原作も読んでみたが、これもなかなか面白かった。
というか、映画が原作に忠実な作りなので、これって
ノベライゼーション?と一瞬思ってしまった(^_^;)


タイトルの「鍵」が、ずしりと重い意味を持ち、ヒロインの
人生を支配する重要な小道具でありメタファーとなっている。
ワタシなど考えすぎな性格なので、これからは部屋の鍵を
手にするたびに、この映画を思い出して辛くなりそうだ。


そういえばこの鍵も、いまの住まいに移ったときは
まっさらの鍵だったなあ……なんつって(^_^;)。