作家とは?

「作家という病」(校條 剛著・講談社現代新書)を読む。
著者は、元新潮社の編集者。笹沢左保川上宗薫藤沢周平
吉村昭遠藤周作など、つきあいのあった 多くの作家たちの
内幕話がめっぼう面白い。その人の奇妙な一面、こだわり、
わかりにくさなどが率直に語られ、作家の人となりが
伝わってくる。


作家の壮絶な仕事ぶり、原稿へのこだわりぶりが印象的で、
「作家という座業は激務である」ということがよくわかる。
吉村昭は、臨終が迫ってきた時でさえ、「残した短編に
加筆できないのが気がかり」と言ったとか。


流行作家にはほど遠いとはいえ、ワタシにもそんな一時期が
あったことを思い出した。忙しい時は、ふとんで横に
なることなく机にしがみつき、せっせとワープロを叩き続けた。
疲れると机に突っ伏して少し寝た。
朝、目覚ましで起きると、眠気をこらえて取材に出た。
こんな日が何日も続いたので、肩ががちがちに硬くなり、
動かすと激痛が走ったものだ。
ちなみに、いま肩が凝るのは、単なる年のせいだ(^_^;)。
そして、こんな売れっ子作家のような生活がずっと続くのかと
思ったが、それは錯覚だったw


作家の最期を見ると、糖尿とか高血圧、脳梗塞とかなんらかの
病気で死んだ人が目につく。自殺とか失踪なんて人もいる。
80ぐらいまで生きて、老衰で普通に亡くなった人は
ほとんどいない。
作家って経済的にはともかく、健康に悪そうなのは
よく分かった。
これでは「作家という病」というより、
「作家の(患った)病」ではないか!?(^_^;)