これってクール?

クール・ジャパン!?」(鴻上尚史著・講談社現代新書)を
読む。
NHKの同名番組で取り上げたさまざまなトピックを
司会である著者が解説して、なかなか興味深い本だった。


日本に来た外国人が感心したものはなにか?として、
洗浄器付き便座、ママチャリ、アイスコーヒーを挙げたとか、
居酒屋は素晴らしいとか、ニッカポッカはクールであるとか、
日本賛美の意見がたくさん出てくるのはうれしい。
一方で、風俗習慣の違いでビックリしたり考えさせられる
こともけっこうあって、こっちの方が面白かった。


それはたとえば、「泣く」。
日本人は泣くことが好きだ。人前でよく泣くし、試合に勝っても
負けても泣く。ところが、外国ではまったくこれが
理解できないという。
アメリカ人女性曰く「アメリカでは、泣くことを良しとする
ものなんて、絶対に絶対に絶対に絶対にありません!」。
「泣くのはプライベートなことだから、人に見られたくない」
(フランス人)、「人前で泣くのは負けだ」(イタリア人)とまあ、
けちょんけちょん。
企業の謝罪会見を見た西洋人たちは、「泣いてるヒマがあったら、
さっさと何をするか語るべきだ」と思うそうだ。


するってえと、「思い切り泣いてください」とか、「涙で
スクリーンが見えません」なんて映画の宣伝文句は、外国では
ボツになるわけだ。
舟木一夫の「涙の敗戦投手」も、売れないのか……(古すぎ?w)


まあ涙もろいというのは、つまりは日本人の優しさや思いやりの
深さの表れではないか?と言いたいところでありますネ。