こわい先生

ツタヤの高すぎ新作レンタルで、「セッション」を見る。
音楽のプロをめざす若者と、それをしごく鬼教師との、
まさに格闘技ともいえる戦いのドラマ。
汗が散り、血がにじみ、怒号が飛ぶ。とんでもない緊張感と
恐怖が持続する、一種のホラーともいえる映画だ。
監督は撮影当時28歳という若手だが、最初のワンカットから
傑作の予感を感じさせる。またすごい才能が出てきたものだ。


なんといっても鬼教師を演じるJ・K・シモンズの、
一寸先も読めない超スパルタ指導が怖い。
まるで育てるのではなく脱落させたいのかと思わせる、
極悪ないじめ方である。そもそも顔が怖すぎる。
映画史的に見ても、レクター博士以来の、
強烈なキャラクターではないか。
最近の「ほめて伸ばす」なんてヤワな考え方が吹っ飛んで
しまうくらいの衝撃であり、こういう教師がいるからこそ、
アメリカの音楽・エンタテインメント系のレベルの高さが
ある、と実感してしまう。
最後の演奏は、若者と鬼教師との息詰まる決闘であり、
演奏を通してそれぞれの内面が変化していく、二転三転する
展開が実にたくみだ。


ところで、この映画で扱われる音楽は、ジャズである。
最後の演奏では名曲「キャラバン」が効果的に使われているが、
ワタシなど、「キャラバン」というと、ついベンチャーズ
メル・テイラーのドラム・ソロを思い出してしまう。
ジャズファンは違うんだろうな……(^_^;)。
まあともかく、 今年のベストは、「KANO」か
アメリカンスナイパー」で確定と思っていたが、
「セッション」に決まり!