もしも……。

「歴史とプロパガンダ」(有馬哲夫著)を読む。
ルーズベルト真珠湾奇襲を知っていた……というのは、
これまでよく言われていた陰謀説だが、ワタシはかねてから
疑問に思っていた。
トラ・トラ・トラ!」を見てもわかるように、真珠湾では
数千人のアメリカ人が死んでいる。
いくら冷酷非情な政治家でも、それほどの数の同胞を見殺しに
するか?という疑問だ。
この本を読んで疑問が氷解した。暗号解読で、アメリカは
日本軍の奇襲を予測していたが、それはフィリピンや
インドネシアなどアジアの米軍基地に対するものであり、
遠いハワイにまで来るとは思ってなかった……という。
だから真珠湾奇襲の直前に、アジアの米軍基地には軍事警報を
出していたが、ハワイには出してなかった、というのだ。


言い換えれば、真珠湾奇襲がいかに意表をついた作戦だったか、と
いうことだろう。あの大艦隊でえらく長い距離を移動するのだ。
漁船一隻にでも見つかったらおしまいである。
そうか、あれは文字通りの大バクチだったのか。無謀とも
いえる作戦だったのか……と、再認識したのでありました。
こういう歴史のミステリーは興味深い。


そこで思うこと。もしハワイに警報が出ていたら……?
真珠湾には戦艦も巡洋艦もおらず、たいした戦果も上がらず、
返り討ちに遭って、戦争はもっと早く終わって
いたんだろうな、と。結果として、原爆投下もなかった
かもしれない。特攻も行われず、桜花も回天もなかったかも。
でも、震電の活躍は見たかったな。
……とまあ、いろいろ架空戦記のようなことを考えてしまった(^_^;)。