歴史の教訓?

「特攻 戦争と日本人」(中公新書)を読む。
特攻の歴史、背景などが分かりやすく書かれている入門書。


客観的に成果という点から見ると、特攻がいかに非効率的で
コストのかかる作戦であったかが、よくわかる。
トータルで見ると、航空攻撃での特攻による戦果は、
撃沈47隻に対して、3848人が戦死しているという。
つまり、一隻沈めるために81人の兵士が死んでいる――と
いうことだ。それも、正規空母などの主力艦はほとんど撃沈できず、
駆逐艦や上陸艇などの小型艦船が多いのだから、泣けてくる。


泣けてくるといえば、この本にも書かれているが、特攻機・桜花を
ぶら下げた一式陸攻が、米軍機にバタバタ撃ち落とされる動画を
YouTubeで見たことがある。
いとも簡単に、なすすべもなく撃墜される一式陸攻……目を覆う
ような惨状で、さすが“ワンショットライター”という
ニックネームを付けられただけある、と哀しい納得をしてしまった。


このほかにも、人間魚雷・回天は戦死者は900人を超えるのに、
戦果は駆逐艦1隻のみ。
水上特攻艇・震洋も推計で2500人以上の戦死で、
たいした戦果はなし。
そして、戦艦大和による水上特攻は、4000人が死んで敵機10機を
落としただけ……と、なんとも悲惨な有様だ。


やっぱり精神主義だけでは、戦争は勝てない。
むやみに頑張るだけじゃダメなんだよな……と、
さして頑張る気もないワタシは、あらためて
歴史の教訓を深く胸に刻んだのでありました(^_^;)