歴史観(2)

ついでに「韓国の歴史教科書・高校版」も読む。
これはさらにすごい内容だ。全体の3分の1を近現代史が占め、
そのほとんどが「日帝」に対する非難と呪詛で満ち満ちている。
いちいち挙げていくのもうんざりするが、なかでもいちばん
のけぞったのは、戦時中の挺身隊(いわゆる勤労奉仕)と、
従軍慰安婦を混同し、「多くの若い女性が挺身隊の中から
慰安婦にされた」と明記してあることだ。
この2つがまったく別物であることは、朝日新聞も吉田証言の
訂正記事でちゃんと書いている。


さらに、コラムでは「歴史の窓 慰安婦に引きずられて行く」と
題し、日本の軍人が、若い女性をかどわかしていくイラストが
示され、具体例を挙げている。日本軍による強制連行はなかった、と
いうのはやはり朝日の訂正記事で明らかになったはずだが。


そのほか突っ込みどころは限りなくあるが、いちいち指摘するのも
疲労感を覚えるほどだ。
自分たちの歴史を誇り高きものに飾り立てるためには、事実は
どうでもいいのだろう……と思えてしまう。
「韓国の歴史はファンタジー」と呼ばれるゆえんだ。


日本に対する怨念を未消化のまま放り出した印象なので、こういう
内容を信じた生徒は、将来どんな大人になるのか?と心配してしまった。
他人を恨み、なんでも人のせいにし、夜郎自大となる性向が
社会全体に積もり積もって、セウォル号の転覆事故に
つながったのでは……とつい考えてしまう。


というわけで、衝撃的という意味ではなかなかのものがある
“読みもの”でありました。