国土の特殊性

「国土が日本人の謎を解く」(大石久和著)を読む。
著者は国土開発の専門家。日本の国土の特殊性(地震津波
台風などが多い)から、日本人の民族性を説き起こし、
あるべき経済発展のあり方や働き方を提案していく。
歴史的に虐殺の多かった欧州や中国に対し、天災に悩まされてきた
日本の対比、そこからくる発想や死生観の違いには、なるほどと
うなずいてしまう。
そして、日本の強みはなにより集団力であり、現在のような格差を
招いた派遣や業務委託を批判し、日本にふさわしい働き方を
模索すべきだ、と言うのである。頷きすぎて、首が痛い(^_^;)。
久々に登場した、すぐれた日本人論ではないだろうか。


ワタシも業務委託とか経験したことがあるが、マニュアルに
きっちり縛られ、はみだすことは許されず、不快感しか残らない
仕事ばかりだった。もちろん、ギャラもいいわけがない。
いきなり切られてもなにが理由かさっぱり分からない。
これでは、やりがいもないし、若い人にとっては成長やキャリアの
発展にはつながらないだろう。


それにしても、いまさらながら、日本という国は世界と隔絶した
民族性(よくも悪くも)を持っているんだな……と
再認識した次第であります。