現代の小津?

ツタヤの高すぎ新作レンタルで、「海街diary
( 是枝 裕和監督)を見る。
鎌倉を舞台として、淡々と描かれる家族の絆。
小津調を思い出させるゆったりした時間の流れ。
久々に日本映画らしい日本映画を見た、という印象だ。


小津を連想させるのは、劇中で何度か出てくる
「だれのせいでもないのよ」というセリフだ。
妻子ある男を愛してしまう不条理、家族の崩壊、うまくいかない
恋愛……そう、だれのせいでもない出来事を静かに受け入れ、
耐えていくという、いかにも日本的な心情が胸に迫ってくる。
東京物語」の「欲をいやあきりゃあなあが、わしらは
ええほうじゃよ」という笠智衆のセリフにも通じる、
日本人の人生観、諦観が深くしみいるようだ。


綾瀬はるかをはじめとする、4人姉妹を演じる女優陣の
アンサンブルが素晴らしく、ずっとこの家族を見ていたい、と
いう気にさせられる。
綾瀬はるか長澤まさみが姉妹なんて、どんなできすぎの
家族だよ!と突っ込みながら見ていたが、いつしか
引きこまれ、そんなことは忘れてしまった。
というわけで、2回続けて見てしまった次第。
去年の日本映画ベストワンに決定。原作のマンガも
読み始めたところであります。