綱渡りな人生

ツタヤのレンタルで「ザ・ウォーク」(R・ゼメキス監督)を見る。
1974年、ワールドトレードセンターの二つのビルの間を、綱渡りで渡った男の実話。
山に登る人の気持ちはさっぱりわからないが、これもそういう人が主人公だ。
理由は、「そこにWTCがあったから」思い立っただけ、としか説明されない。
ヨットで太平洋横断の堀江サンや、三浦雄一郎氏などと同じで、
いつも何かに挑戦しないではいられないのだろう。


映画は、綱渡りのための準備工作がミッション・インポッシブルのように描かれ、なかなかおもしろい。
肝心の綱渡りのシーンも迫力満点で、これを3D・アイマックスで見たら、失神してしまいそうだ。
結局成功するが、主人公は警察に逮捕される。
しかしそこは冒険精神を賛美するお国柄、罰として「セントラルパークで、綱渡りをみんなに見せること」を言い渡され、一件落着。なかなか粋なはからいではないか。
建設中はその外観から悪口を言われていたWTCだが、この出来事のせいでニューヨーク市民から親しみをもたれる存在になったと言う。
この映画は、いまはなくなったWTCへの追慕の映画でもあった……。


なかなか楽しめたが、主人公の気持ちがわからないので、消化不良な気分は残った。
つい「それって何が楽しいの?」と思ってしまう。
まあ自転車で西荻界隈を徘徊するだけで、じゅうぶん冒険気分を
味わえる私なんぞには理解不能か……?(^_^;)