自己犠牲

それにしても、思い返すと「七人の侍」の前半は面白い。
それぞれの特技とキャラを持った侍が一人ずつ集まってくるプロセスには、わくわくさせられる。


そこでふと思った。
これは、日本以外では成立しにくい話ではないのか?と。
大した報酬ももらえないのに、農民の窮状に同情し、命をかけて戦う……というシチュエーションが、この映画のキモだ。
こうした自己犠牲、無私の精神は、自己中な中韓あたりには理解できないのではないか?
あちらなら、もらうだけもらって、いざ野武士が襲ってきたら、全員逃げ出す……なんてシーンを想像してしまう。


そして、農民のしたたかさを、これほど巧みに描いた作品もないのではないか。
ふだんはおびえて暮らしているのに、安いギャラで侍を雇って野武士と戦わせ、平和が戻ってきたらはいさようなら……。
こうして考えてみると、けっこうずるいししたたかだ。
もちろんそれは、虐げられた階級の生きる知恵とも言うべきだが。
そういう意味で、「七人の侍」は、すぐれた日本人論になっている映画だと、いまさらながら思う。


……とまあ、こんなことをつらづら考えさせるという意味で、「マグニフィセント・セブン」を見た甲斐も多少はあったかも(^_^;)