デトロイト

ユナイテッドシネマとしまえんで「デトロイト」(キャスリン・ビグロー監督)を見る。
1967年のデトロイト暴動の最中に発生した、アルジェ・モーテル事件を題材にした作品。
タイトルを聞いたときは、暴動そのものを「仁義なき戦い」風に鳥瞰的に描くのかと思っていたが、
意外やモーテルでの描写がえんえん続くので意表を突かれた。
これは、「ソウ」みたいなソリッドシチュエーション・スリラーじゃないか!(^_^;)
白人警官たちが、黒人たちを壁に並べ、あれこれ難癖つける横暴な尋問・拷問ぶりはぞっとするもので、ついに死者も出る。
臨場感満点の演出だが、とにかく長いし、カメラも揺れるので、見ていてどっと疲れた。
で、2時間30分もあるこの映画を見たあとの感想は、「アメリカって進歩ねえなあ」だった。
暴動から50年もたつのに、いまだに同じようなことやってるもんな。


まあとにかくパワフルな演出が印象的な作品だった。さすが「ハート・ロッカー」、「ゼロ・ダーク・サーティ」のビグロー監督。
これが女性、というのがいつもながら驚かされる。
ふと故サッチャー首相の言葉を思い出した。
彼女は、フォークランド紛争開戦に反対する閣僚達に向かって、「この内閣に男は1人しかいないのですか?」と言ったとか。
そんなセリフの似合いそうな人だ(褒めてますw)。