見てから読んだ

トランスジェンダーといえば、最近ツタヤの高すぎ新作で見た「リリーのすべて」(トム・フーパー監督)は、なかなか良かった。
世界で初めて性転換手術を受けた人の実話で、なにをやっても巧いエディ・レッドメインが、主人公のデンマークの画家を演じている。
そして、彼を支えるのが妻で、徐々に自分のなかの女性性に目覚め、外見やしぐさも女性方向?へ変わって行く夫を、別れることもなく最後までそばにいて尽くすのだ。
この二人の関係が感動的で、これもひとつの愛のかたち――と思える物語になっている。
妻を演じたアリシア・ヴィキャンデルも巧い。


終盤、度重なる手術がもとで、主人公は死んでしまう。
しかし彼の魂は、「なりたい自分になって、自由になれた」ということを象徴するラストが、なんとも印象深かった。


ついでに原作も読んでしまったのだが、これは少々退屈で、映画のほうがよく出来ていた。
映画の感動のラストも、原作ではだいぶ違っていて、肩透かしorz
まあ、事実だけを描いても面白くはならないわけで、シナリオライターの存在価値と脚色の才能を実感した。
アカデミー賞に脚色賞があるのも納得だ(^_^;)