ZUZU

安井かずみがいた時代」(島崎今日子著)を読む。
田舎にいた頃から、安井かずみのことは、芸能雑誌のグラビアなどで知っていた。
ファッションモデルのようなルックスと作詞の才能、華麗な交友関係に 奔放な恋愛遍歴。
なにしろ60年代、六本木の「キャンティ」の常連であり、ロータス・エランをオープンにして乗り回していたというのだから、田舎の中学生にはとうてい理解不能の世界だった(^_^;)


本書は、安井かずみを巡る、友人や業界関係者の証言で構成されている。
平尾昌晃、コシノジュンコ村井邦彦、大宅映子、吉田拓郎渡邊美佐……なんとも豪華なメンバーだ。みんながみんな、彼女の才能やファッションセンスを褒める。その早すぎる死を惜しむ。
読んでいくうちに、だんだんうんざりしてきた。しょせん私には関係ない世界だな〜と思ったゆえだ。
そもそも六本木なんて、東京に住んでいながら、ほとんど行ったことないもんな〜(^_^;)。


結局、この本で一番面白かったのは、「わたしの城下町」の歌詞の話だった。
親友の加賀まりこが、「格子戸はくぐり抜けないわよ」とクレームをつけたとか。なるほどね。
平尾昌晃は、「四季の草花が咲き乱れ」ってのも凄いよね!――と突っこんでいた。そういえばそうだ。四季の草花が同時に咲き乱れるわけがない。
いままで気が付かなかった(^_^;)。


そこで私もアラ探しをしたら、ひとつ見つけた。
千葉紘子の「折鶴」で、「まだおぼえてた折鶴を 今あの人の胸に とばす夕暮れどき」という部分だ。
折鶴は、飛ばさないだろ!? それは紙飛行機だろっ……と突っ込みたい。
こういう微妙なミスリード(?)によって、受け取る側の歌のイメージを豊かに拡げてしまう。これが安井かずみのマジックであり真骨頂だ!
……なんて分析してみたりして(^_^;)