話題の本

「日本国紀」(百田尚樹著)を読む。

500ページを超える日本通史だ。

山川の日本史なんかと比べると、さすがに独断と偏見?に満ちていて、面白いったらありゃしない。教科書は淡々と事実を紹介するだけだが、この本は佳境に入ると、「こんなことはありえない!」とか「まったくつきあえない国だ」とか、著者の私見が炸裂するのである。思わずふんふんと頷いてしまう。さすがベストセラー作家の百田、面白く読ませる。

というか、昔読まされた歴史の教科書がいかに無味乾燥なものか、あらためてよくわかった。

 

とくに幕末から明治維新、日清・日露戦争ぐらいまでがめっぽう面白く、「日本えらいジャン!」と素直に思ってしまう。

逆に、昭和に入ると、ブロック経済の戦争へ導くアメリカの罠にはまったり、ドイツと同盟を結んだりと、先を読めない視野の狭さに歯がゆい思いをする。

もっとうまくやれよ、といいたくなってしまう。まあ今だから言えることだが。

 

通読してみると、日本が誇らしくもあるが、反面いかに外交ベタで、純情な国であるかを再認識した。この先、魑魅魍魎のうごめく世界をどう生き抜いていくのか……つくづく心配になる。

 

とまあ、いろいろなことを考えさせられる本だった。

500ページもあるので、他人に気安く勧められないのがアレだが、いや~、読み応えあったなあ。