アメリカの夢?

ツタヤの夢の旧作で、「ドリーム」(2016年・アメリカ映画)を見る。

 

人種差別が横行していた1960年代初頭のアメリカで、初の有人宇宙飛行計画を陰で支えたNASAの黒人女性スタッフの知られざる功績を描く伝記ドラマ。(ヤフーより)

 

これは期待以上に面白かった。スキあらば早送りしようと思っていたのだが、ついに最後まで普通再生で見てしまった。

前半は、黒人女性たちの差別される描写に目を惹かれる。

黒人女性スタッフはたくさんいたのに、白人が嫌がる計算専門の仕事で、職場も別。臨時雇用扱いでいつクビになるかとビクビクしている。

ヒロインは天才的な数学の能力を見出されて、白人ばかりのセクションに転属するが、そこでもトイレもコーヒーポットも別という露骨な差別に遭う。黒人専用トイレは、別棟で800mも離れたところにあるという酷さだ。

しかし、彼女はその能力を発揮して、徐々に認められていく。マーキュリー計画を成功に導いていくクライマックスは、爽快なカタルシスを呼び起こす。差別に対して声高に怒るだけでなく、能力で反撃していく、というパターンが新しい。

まあ、数学の苦手な私には、劇中で彼女が書きまくる数式はなんのことやらさっぱり分からなかったが……(^_^;)

 

ところで、設定からして、本作はいわば「裏ライト・スタッフ」ともいうべき作品だ。

最近だと、ハリウッドはスパイダーマンゴジラを臆面もなく(?)、まったく別の設定で作り直したりしている。本作もその意味では同じようなもので、あの手この手で同じネタを使い倒す、燃える商魂にはあきれるというか感心してしまう。

しかしまあ、面白いんだから文句も言えない。これを見たあと、また「ライト・スタッフ」を見たくなってしまうんだから、困ったもんだ。見事に敵の術中にはまってしまった……(^_^;)

 

そこでふと気がついた。

そうか、こうやって永遠に儲け続けることこそハリウッドの、いやアメリカの「ドリーム」なのか!?……と深読みした次第であります(^_^;)