昔昔、聖林で
「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」を封切りで見る。1969年のシャロン・テート事件を中心として、当時のハリウッドに生きる人々の悲喜こもごもを描いている。
ディカプリオとブラピという二大スターを持て余すことなく、その持ち味を存分に発揮させているのは、さすがタランティーノだ。
ディカプリオの落ち目の俳優が「オレはもうダメだ」と泣き出すあたりは面白くて笑ってしまった。コメディの才能もあるなあ、この人は。
彼のスタントダブルであり良き友人でもあるブラピも、肉体美を誇示したり、元グリーンベレーという強さを存分に見せつけたりと、カッコいいったらない。
こういう俳優の新しい面を発掘できるのは、タランティーノの才能だろう。誰も「足らんてえの!」とは言えないはずだ(^_^;)
そして、シャロン・テート事件が刻々と迫るにつれて盛り上がるサスペンス。最後に展開される惨劇を、見たいような見たくないような。ところがその結末は……?。
というわけで、タランティーノにみごとにしてやられた映画でありました。やっぱりタランティーノは面白い。一筋縄ではいかない、食わせ者だ(褒めている)。
この映画の見どころは、当時のハリウッドの風景が贅沢に再現されているところだろう。町並みや車、ファッションなど、1969年を見事に蘇らせている。
音楽も懐かしいものばかり。タランティーノの選曲のセンスは今回も抜群で、とりわけホセ・フェリシアーノのカバーした「夢のカリフォルニア」には、シビレてしまった。そして、最後に流れるのはヴァニラ・ファッジの「キープ・ミー・ハンギング・オン」。涙がチョチョ切れた(^_^;)
その他、分からない曲とかかなりあったので、レンタルDVDが出たら、じっくりチェックしたいものだ。
ちなみに、1969年は私にとっても思い出深い年だ。なんせこの年に大学に受かって、上京してきたのだから……。
あれから50年。この年のことだけは、まるで昨日のことのように覚えているから不思議なものだ。
まあ、あの頃からたいして進歩してないような気はするが、あまり考えないようにしようっと(^_^;)