スター!
最近、ツタヤのシニア無料レンタルで、高峰秀子の作品を見ている。「カルメン故郷に帰る」(1951年)、「カルメン純情す」(1952年)を続けて見た。
なにしろ昔の映画なのでセリフも聞き取りにくく、全体に緩慢な印象だが、とにかく高峰秀子には目を奪われる。
浅草のストリッパーだが、自分の仕事を芸術と信じて疑わない楽天性と明るさが突き抜けている。
浅間山をバックに歌い踊る高峰秀子がスンバラシイ。これぞスター、という感じである。
それにしても、「二十四の瞳」の明るい教師や、「浮雲」のグダグダな情愛にはまる女とは全然違う役柄を、いともかんたんにこなしてしまう芸域の広さには驚く。
歌も踊りもこなし、コメディエンヌの才能もある。脇に回っても巧い。監督としては使いたくなるだろう。こんな女優は、日本映画史上でも稀ではないか。
使い減りしないという意味では、なぜかサミュエル・L・ジャクソンを連想した(^_^;)
というわけで、しばらく高峰秀子の旧作を追ってみたい。