折々の気づき

折々のうた 俳句(二)」(岩波新書)を読む。

大岡信の有名連載を、俳人長谷川櫂が抜粋してまとめたもの。

朝日新聞を購読していた頃は、楽しみな連載のひとつだったが、いま読んでみても面白く、大岡信の解説は素晴らしい。

 

ところで、ひとつ気になった箇所がある。

「『大和』よりヨモツヒラサカスミレサク」(川﨑展宏)という句。

大岡信の解説によると、

「……米軍機により徳之島沖で轟沈させられた巨艦大和への追悼の句」とあるのだが、これは正確には違う。

「轟沈」というのは攻撃されて1分以内に沈むことで、大和の場合は攻撃に数時間耐えている。

おそらく、大岡氏は「轟沈」という字面と語感から、巨大な艦が沈没する意味だと思って使ったのではないだろうか。

 

なぜ私がこんなどうでもいいことを知っているかというと、小学4年生のとき、早熟にも軍事雑誌「丸」を読んでいたからだ。えへん。

役に立たない言葉をいっぱい覚えたなあ、檣楼とか大鑑巨砲主義とか超弩級とか……。

そんな往時の教養が、時折こんなふうに溢れ出してしまうのでありました……自慢にならない?(^_^;)