ビバ! 昭和歌謡
昭和歌謡のなかでも、「川は流れる」(1961年・仲宗根美樹)は、お気に入りの歌のひとつだ。歌詞はこんな感じ。
病葉(わくらば)を 今日も浮かべて
街の谷 川は流れる ささやかな
望み破れて 哀しみに 染まる瞳に
黄昏の 水のまぶしさ
「病葉」という雅な言葉を知ったのもこの歌だが、当時小学生の私は「街の谷」を「街の田に」と思い込んでいた。
なんで街の中に田んぼがあるんだ?と不思議がっていたものだ。
これが「街の谷」と知ったのは、わりと最近のことだった……けっこうショック(汗)
それにしても、川を「街の谷」と見立てるあたり、いま考えてもなかなか巧い比喩だと感心する。
思うに、これは東京へ集団就職で上京してきた人たちの失望や挫折感を歌った歌ではないだろうか。そういう人たちに支えられてヒットしたのだろう。
Wikiによると、作詞の横井弘は「あざみの歌」、「哀愁列車」、「心の窓にともし灯を」、「 虹色の湖」、「さよならはダンスの後に」なども書いている。けっこう巨匠ではないか。
そういえば、「虹色の湖」(1967年・中村晃子)についても思ったことがある。
幸せが 住むという 虹色の湖
幸せに 会いたくて 旅に出た 私よ
ふるさとの 村にある 歓びも 忘れて
あてもなく 呼びかけた 虹色の湖
ふるさとを捨て、恋人を捨てて虹色の湖を探し求めたが、それはまぼろしの湖だった……という内容。当時はさっぱり気が付かなかったが、いま読むとわかる。
虹色の湖は、東京のメタファだったと。
こんなことをいろいろ考えさせるのも、iTunesが歌詞を表示してくれるゆえだ。iPhoneが昭和歌謡の良さを再認識させてくれた、と言ってもいい。
いやあ、スマホってほんとにいいもんですね!!(使い方間違ってる?w)