軍事技術?

「日本史サイエンス」(ブルーバックス/播田安弘著)を読む。蒙古襲来、秀吉の大返し、戦艦大和の謎に迫る――などの話題を取り上げており、興味津々で読み進んだ。

 

元ミリオタのワタシとしては、当然ながら戦艦大和の話から読んだ。なぜ世界最大・最強の戦艦であった大和を日本海軍は最後まで温存したのか。無駄に特攻させたのか。

海軍が46センチ主砲によるアウトレンジ戦法に固執していたゆえに、航空機主体の戦法が主流になった戦況に対応できず、出番がついに回って来なかった……という話だ。

 

まあ、ここまでは私も知っていたが、著者は推論として、活用法はいくつもあった、と言う。大和の建造は極秘だったが、むしろあえて公表し、46センチ主砲の威力を背景に開戦の前に米国と交渉して有利な条件を引き出せたのでは?――という意見は、いまならなるほど、と思える。心理戦というか、抑止力というやつね。宣伝戦とか情報戦は、いまでも日本はヘタだからなあ〜。

 

また、大和を造った技術は、精度の高い鉄鋼加工技術、ブロック工法や測距儀の技術など、戦後のさまざまな産業分野で活かされた、という話が印象的だ。

ちなみに零戦でも、その開発過程で、急降下時に翼が細かく振動し、破壊されるフラッター現象を解明したことが、新幹線の高速運転中に後部が横振動を生じる問題の解決につながった、という。軍事技術の高さは戦後、至るところで活用されている――と。

 

ここまで読んで、思わず苦笑がこみあげてきた。おいおい、日本学術会議の立場、ないじゃないか!(^_^;)

軍事技術と民間の技術を、明確に分けられるわけないだろう、と。

思えば、大和の球状船首(水中の抵抗を減らし、速力向上に寄与する)が、戦後、民間の船に広く採用されたことは小学4年生当時の私でも知っていたぞ! 軍事雑誌「丸」を読んでいたからな〜(←単なる自慢w)

 

そういえば、私自身にも思い当たることが。

食事とネットサーフィンなど、同時並行で2つのことをするクセは、発艦と着艦を同時にできる、空母の斜め飛行甲板からヒントを得たのかも?(強引w  ただの貧乏性デス)