『悪役レスラーは笑う』(森達也・岩波新書)

……を読む。
力道山全盛時代に活躍した日系レスラー・グレート東郷
ルーツを追って、なかなか面白かった。
自分はリアルタイムで見ていた世代だが、スマートな外人
やカッコいい力道山に比べて、田子作スタイルに
三白眼、ずんぐりむっくりの体型、下駄で殴りかかっていく
ファイトはなんとも異様でインパクトがあった。
東郷の流血をテレビで見て、お年寄りが何人も
ショック死したという語りぐさは有名だ。



著者は元レスラーや業界人に取材を重ねていくが、結局のところ
彼が何者であったかは分からない。
それはプロレスの闇にも、人間の複雑さにも通じることだ。
グレート草津の取材で明らかになる、ルー・テーズ戦での
新事実が、もっとも興味深かった。


岩波がプロレスの本とはビックリだが、やはり畑違いなのか
プロレスを見下しているのか、「武藤敬二」のような
誤記がいくつかあったのは、なんだかな~w