完璧な日々

Tジョイ大泉で「PERFECT DAYS」(ヴィム・ヴェンダース監督)を見る。

トイレの清掃作業員の日常が淡々と描かれるのみで、大したドラマがあるわけではない。

主人公は清掃を丁寧にやり、近くの神社で昼飯を食べ、仕事のあとは浅草の地下街でちょっと一杯やるのが楽しみだ。なんてこともない平凡な日常。

 

しかし、そんな毎日でも、少しずつ変化はある。昨日と違う出来事もある。ささやかな楽しみも見出す。そうしたディテールの積み重ねによって、仕事ってそうだよな、人生ってこうだよなと、納得させられる。なにより役所広司の演技と表情に惹き込まれる。

 

とくに喜怒哀楽の感情を微妙に表現する最後のアップは圧倒的で、静かな感動に包まれるエンディングになっている。いや〜、すごい俳優だな。

 

主人公が清掃する渋谷のトイレがどれも斬新なデザインで目を引く。映画に出たトイレを回るツアー、というのがあってもいいのでは? この映画を見て、さっそく聖地巡礼をしているヤツもいると思う。私もしたくなった(^_^;)

 

いや〜、じつにいい映画だった。昨年見た映画では、「ゴジラ −1」と並ぶツートップに挙げたいと思う次第であります。