海のそばのマンチェスター?

ツタヤの高すぎ新作で「マンチェスター・バイ・ザ・シー」を見る。去年のアカデミー賞で主演男優賞(ケイシー・アフレック)、脚本賞を受賞した作品。
注目は、やはりケイシー・アフレックである。
なにしろ、あの地味で風采の上がらない男だ。
兄貴のベンは、あのムダに長い顔はともかく、一応監督としての将来性があるからいいが、アンタはちょっとねえ……w
主演作はいくつか見てきたものの、正直どれも今市今仁のてっちゃんで、この先どうすんだチミは?と、心配していたものだ(余計なお世話?w)


それがなんとまあ、ついに化けたというかキタ〜というか、つらいトラウマと贖罪を背負って生きる男……というこの映画のキャラは彼にピッタリで、おそらくこれ以上のはまり役はそうそう回ってこないだろう、と思わせるほど。
良かったなあ、ケイシー君! アカデミーもらって、一気に頂点に駆け上がったじゃないか。
これからは、ケイシー高峰と呼んであげよう!(^_^;)


特典映像を見ていたら、カットされた部分というのが収録されていて、ちょっと驚いた事がある。主人公の哀しみを念押しする、ある重要なシーンが、まるまるカットされていたのだ。
日本映画なら、これ普通入れるよな……と思う、涙を誘うシーンだ。見せないからこそむしろ、哀しみが深まる、と計算したのだろう。小津安二郎が言ったという、「観客が一番見たいところは見せない」というヤツだ。
勇気があるなあ、と思うと同時に、表現の成熟というものを感じてしまった。


ところで、タイトルを初めて聞いたときは、当然イギリスの話かと思ったのだが、違っていた。
マサチューセッツ州にある、Manchester-by-the-Seaという街の名前であり、ボストン周辺の避暑地として発達した所だという。
またひとつ賢くなった(^_^;)