『東京タワー』(リリー・フランキー)

この著者に注目したのは『小さなスナック』(ナンシー関との共著)
だったか、独特の語り口とユーモアに惹かれた。
後書きでナンシー関の死にふれたくだりは感動的で、
泣かせる後書きというのを初めて読んだ。


本書は、そのリリーがついに大ブレーク。
母親の無償の愛という永遠のテーマに、難病ものという
最強の涙腺刺激テーマが合体、読み始めたらやめられない
近年まれに見るページターナーだ。
とくに最後の1/3は、涙なくしては読めない。


『窓際のトットちゃん』『五体不満足』レベルの
リーダビリティと普遍性を備えた、本年ベストワン。