話題のミステリ

昨年のミステリではナンバー1の評価を得た、
容疑者Xの献身』(東野圭吾)を読む。
数学の天才と物理の俊英の知恵比べ……みたいな話と
聞いていたので、レクター博士クラリスみたいな息詰まる
知的な攻防を期待していたのだが、それほどでもなく、
淡々と進行。献身の理由というのも、ちょっときれいごとに
感じられて、納得しかねるところがある。
それに東京に住んでいる身としては、どうも舞台がさほど
魅力的と思えないのだが……。
ただ、本格ものらしいトリックとミスリーディングのうまさには
一杯食わされた。まあこの快感だけで、読んだ価値はあると
いうものだ。


ところで、最初のページに「太い道路」という言葉が出てくる。
これは「広い道路」というべきだろう。
他の本でもこういう書き方をしていたし、だれか東野圭吾
忠告してやれよ(^^;)。