バルセロナ……

「風の影」(カルロス・ルイス・サフォン)を読む。
去年のミステリベストテンでも、評価の高い作品。
スペイン内乱前後のバルセロナを背景に、ミステリアスで
ゴシックロマン風、かつ少年の成長物語と、さまざまな要素を
持った小説で、19世紀文学の香りも漂う(と解説にある)。


ある意味、バルセロナの名所案内みたいな小説なので、
バルセロナを知っている人なら、かなり楽しめるの
ではないか。なにせ最近はもっぱらバーチャルツアーの
ワタシには、地理的空間的把握がまったくできず、お手上げ状態。
仕方ないので、アルモドバル監督の映画などから
登場人物を想像しつつ読んでいった。


それにしても、読むのに時間がかかった。面白くないわけでは
ないが、なにせ19世紀文学だ。しばしば中断して放置状態。
終盤かなり盛り上がるが、そのための伏線のあった(はずの)
前半部分など、けっこう失念していた。
いまはただ、上下巻合わせて800ページに及ぶ大冊を、なんとか
読了できた自分をほめてあげたい(^^;)。
あ~、疲れたorz