吊り橋効果

「気にしない技術」(香山リカ)を読む。東日本大震災のあと、
人との絆が見直され、結婚したい人が増えたという話があるが、
これは「吊り橋効果」というものらしい。
ゆらゆら揺れる危険な吊り橋で出会った二人は、お互いが相手に
期待しあうために、現実以上に魅力能力を評価しあう。
吊り橋を渡ったら魔法が解けて、熱も冷めてしまう。つまり
これは錯覚である――ということらしい。
この話で思い出すのが、キアヌ・リーブス「スピード」だ。
映画の最後、ともに危険を乗り越えてきたキアヌと
サンドラ・ブロックは熱い抱擁をかわす。
「極端な状況で結ばれた男女は、長続きしないのよ」とサンドラが
言うのが、まさにこれではないか。ちなみに、皮肉にも
続編「スピード2」ではその通りになり、サンドラの恋人が
別の男になっていたのには笑ってしまった(^^;)。


これと似たようなもので、「閉店時刻効果」というのもあるとか。
もうすぐ閉店だよとか、あと2個で売れ切れだよと限界を
示されると、「買います!」と声をあげてしまうというもの。
日本も終わりではないか……と考える心理が、パートナーを
求めてしまうのだと。
これには、私もかなり覚えがある。回転寿司で、「きょうの
タイムサービスの大トロはあと5分で終了ですよ!」と
言われれば即頼んでしまうし、スーパーで98円のバナナが
ひと房だけ残っていると思わず買ってしまう。
結局トクしてんだか損してんだか、よく分からないのだ(^^;)。