責任の取り方

「海戦から見た太平洋戦争」(戸高一成)を読む。
日米で異なるのはリーダーの責任の取り方で、
日本は作戦に失敗して大負けしても、トップが
処分されることはなかったのに対し、
米国では、きっちり責任をとらされたという。


もっとも印象的なのは、このエピソードだ。
サイパンに原爆を運んだ重巡洋艦インディアナポリスが、
終戦間近に、日本の伊号58潜水艦に撃沈された。
これは、太平洋戦争における日本海軍最後の戦果として
記憶されているが、米国側では別な意味で
重要な事件だったらしい。
つまり、その撃沈された地点がフィリピンあたりの、
安全であるはずの海域だったので、「死ななくても
いいはずの兵士を死なせてしまったのではないか」と
問題にされ、生き残った艦長は軍事裁判にかけられて
有罪になった、というのだ。
戦局挽回を期して体当たり攻撃を始め、多くの若者の命を
ムダに散らした日本側とはえらい違いではないか。


これは、いまもそれぞれに受け継がれている発想ではないか。
欧米の企業経営においては、トップは業績が振るわなければ
さっさとクビを切られるが、成果を挙げれば高額の
報酬が得られる。その意味では、最近話題になった
日産のゴーン社長の超高額報酬も、
まあ仕方ないか……(←って、どういう結論だよ!w)