イタイひと

レンタルDVDで「ブルー・ジャスミン」を見る。なかなかの傑作。
ケイト・ブランシェットが絶妙にうまい、イタイ、こわい。
さすが世界の主演女優賞を総なめにしただけある。


セレブな生活から転落した女性が、また上り詰めようと悪戦苦闘?
する話だが、ヒロインは見栄っ張りで地道な努力を嫌い、
自分にはもっと価値があると信じこんでおり、
人が聞いてもいない自慢話をえんえんとする。
要するに勘違いな痛い人なのだが、ああこんな人いるなあとか、
どうしようもないなあとかいろいろ考えているうちに、
自分だって似たところはあるじゃないか……?という思いに至る。
だから、決してヒロインをバカにできない。笑えない。むしろ、
自分に正直に生きているという、ある種の一途さすら
感じてしまうのだ。


そういう、見る者に尋常でない痛さとか共感を感じさせるあたり、
ウディ・アレンの脚本と演出にぬかりはない。
まあ、女性関係では相当苦労?しているようだから、その経験が
生かされているのだろう(^_^;)。
ともあれ、ケイト・ブランシェットはいい女優だと再確認。
旧作を追っかけてみようと思った次第であります。