罪作り?

アカデミー賞を獲る脚本術」(フィルムアート社)を読む。
具体的な映画の実例を引いて実作のコツを述べていくので
分かりやすいが、こういう本には決まって落とし穴がある。
いくらノウハウを知ったところで、「新しいパターン」を
思いつけるか?は、結局その人しだいということだ。
たとえば「天国と地獄」のような誘拐ものでは、
犯人側からすると人質と金との交換をどうするか、
というのが一番難しいわけだが、
通信手段や捜査手法の発達した現在では、
新しい手を考え出すのはかなり難しいだろう。
そもそも「主人公は魅力的なキャラクターであることが
必要だ」というのは物語作りの定石であり常識だが、
それを思いつけたらだれも苦労はしないw
結局、この手の本をいっぱい読んで、小説やシナリオを書ける
つもりになった人って、たくさんいるんだろうなあ。
勘違いして、小説らしきものを書き飛ばしてコンクールに
応募し、落ち続ける……なんて人生の時間をムダに使ってる
人もいるんだろうなあ。
そういう意味では、罪作りな本ではある。
……うちの書棚にも、この手の本がたくさん並んでるけど(^^;)。