漢(おとこ)ですな。

「バート・マンロー スピードの神に恋した男」を読む。
映画「世界最速のインディアン」の、スピードにとりつかれた
主人公の人生を描くドキュメント。
ひたすらスピードに挑戦し、60代、70代になってもひたむきに
エンジンの改良に努めた彼の生き方は、
ある意味男の理想像ともいえる。
なんでも自作したり調達してしまうところがすごいし、
少々のはみだしぶりも愛嬌と許せてしまう。
第一次大戦のころ、自分で大砲を作ってしまったとか、
また家族でリゾート地に出かけるとき、バイクしかないので
自作のトレーラーに子供4人を乗せて走ったら、ついスピードを
出してしまい、4人とも砂利道に投げ出されたとか、いかにも
彼らしいエピソード満載。
とくにボンネビルに挑戦するあたりから俄然面白くなる。
話し好きでフランクな主人公は、どこへ行ってもみなから
愛され、次から次に起こるトラブルも、本人の才覚と
周囲の協力で乗り切ってしまう。
エドワーズ空軍基地に入り込んで工具と整備スペースを
貸してもらうところなど、面目躍如。
きっと、「このオヤジのためなら、なんでもしてやりたい!」と
思わせる魅力があったのだろう。羨ましい……。


ワタシも、初めて会った相手に「こいつのためなら、
液晶テレビのひとつも買ってやりたい!」と思わせるくらいの
話術と魅力を身につけたいものだ(^^;)。