品格を欠くさ社会

「日本人の矜持」(藤原正彦)を読む。
国家の品格」の著者による対談集で、斎藤孝ビートたけしなど
多彩なゲストを迎えて放つ日本および日本人論。
日本人の美点として、江戸時代に訪れた外国人が、
「日本には貧しい人はいるが、貧乏はない」と驚いた話や、
「お金があるからと威張っている人もいないが、ないからと
いってめげている人もいない」ことを挙げている。
たしかに、これは日本人の良さだと思う。
しかし、それがいま揺らいでいる。
格差社会という妖怪のせいで。


もちろん能力しだいで収入の差が出るのは当然としても、
若いモンがスタート地点から差をつけられて社員にもなれないと
いうのは、明らかにおかしい。
時給800円で、東京でどうやって暮らせというのだろう。
こうして意欲もモラルもそがれ、長い目で見ると、日本の国力は
落ちていくだろう。人心は荒廃し、犯罪も増えるに違いない。
そう、日本には格差社会は似合わない。
先日の選挙結果は、そういう国民の、格差社会に対する
NOという回答ではなかったか……なんてマジメにまとめたりして。


もっとも、ワタシ自身は格差社会なんぞまったく気にしていない。
だって、フリーなんてもともと保障も手当もないし、
昔から格差ありまくりだったもの(^^;)。