いい作家

ゴールデンスランバー』(伊坂幸太郎)を読了。
昨年度の各種ミステリ選考でNo.1に選ばれただけあって、
評判通りの面白さだ。なにより感心したのはセリフのうまさで、
軽妙でユーモアがある。笑っている場合ではないシーンにまで
笑いを挟む呼吸など、かえってリアリティを感じるほどで、
伊坂幸太郎恐るべし、と実感。
いま風な若者の会話を、これだけ生き生きとリアルに表現するのは、
若い世代でないムリだな~としみじみ。
読んだあと、三鷹コメダへ行ったら、隣のカップルがまさに
そんな今風の会話をしていた。ダブルパンチで、
最近の若いものにはついていけない……と思った出来事でしたorz


ところで、最近は小説家も大変だと思う。この小説には
ケータイや近未来の監視装置が登場するが、こういうものは
科学技術の進歩が速いので、書かれた時点では最新でも、
あっというまに古くなってしまう。2年後にこの本を読むと
どんな印象になるか、ちょいと気になった。
小説の商品としての賞味期限もどんどん短くなっているわけで、
作家としては、いまを反映した作品を次々に書いていかないと
おっつかないわけだ。
その点、松本清張は幸せだったかも(^^;)。