中山千夏

「蝶々にエノケン 私が出会った巨星たち」(中山千夏)を読む。
舞台にテレビに、子役として活躍した中山千夏が綴る、
スターたちの横顔。著者の性格ゆえか、どんな人とも、
さほどベタベタした深いつきあいはなかったようだが、
それでもちょっとしたエピソードからその人の人間像が
じんわり滲んでくるようで、読み始めたらやめられない面白さだ。
意外だったのは、私も子供のころ見ていた
「やりくりアパート」という関西のテレビ番組のこと。
大村崑、佐々十郎がこれで売り出したのだが、中山千夏
出ていたとは知らなかった。当時は生放送だったので、
ドラマ部分が終わるとすぐさま別のスタジオに移動して、
ダイハツ・ミゼットのCMを演じた……という話に、
笑ってしまった。


もっとも、この本で一番驚いたのは、中山千夏の文章の
うまさだ。なにをやってもうまい人っているんだな~と感心。
そういえば、「ひょっこりひょうたん島」も、
彼女の歌だったなあ(遠い目…)。