おくやみ

朝日新聞が叩かれている。まるでサンドバッグ状態。
吉田調書と吉田証言のダブル吉田ショックで、青息吐息に
見える。社長は辞任するだろうし、ひょっとすると会社自体も
危ないかもしれない。


かつて、長い間購読していた身としては、なんとも複雑な
気分である。かつての朝日のテレビCМのように、
「私の意見は、朝日新聞の受け売りです」という時期が、
確実にあった。
飲み屋で口角泡を飛ばす内容と主張は、恥ずかしながら、
ほとんど朝日そのまんまだった。
反面、なんとなく違和感を感じていた部分もある。
権威主義なところとか、偽善者っぽいところとか、
ミスを指摘されても認めない頑固さだ。
近所の本屋に取材に来た若い記者が、社用車でふんぞり返って
やってきた……なんてことを聞くと、それでいいのか、と
疑問を感じた。自分たちのエリート意識と無謬性に、
いつしか絡め取られていったのだろう。
強制連行の誤報を30数年間認めなかったというあたりに、
その極致を見る思いがする。


ちなみに朝日が凋落した分、他紙が部数を伸ばすかといえば、
そうともいえないと思う。かえって新聞というものに幻滅した
一般読者は、紙媒体としての新聞から離れていくだけではないか。
遠からず新聞はネットに移行すると言われていたが、この事件は、
それを加速させることになるだろう。


しかしワタシは、ネットではいまも朝日を愛読している。
とくに「おくやみ欄」はどこよりも充実しているので、
オススメだ。
まあ朝日自体も、おくやみを言われそうな勢いだが……(^_^;)