ショービジネスはつらいよ

レンタルDVDで「バックステージの歌姫たち」を見る。
アメリカの音楽界で、バックコーラスを務める女性たちの
声や生き方を伝えるドキュメンタリー。
アイク&ティナー・ターナーのバックを務めたジ・アイケッツの
メンバーがいたのには、懐かしさを覚えた。
昔「ソウル・トゥ・ソウル」というコンサート映画で、
そのセクシーなイメージが印象的だったからだ。
またダーレン・ラブという女性、なんか見覚えあるなあと
思っていたら、「リーサル・ウェポン」で、ダニ−・グローバー
奥さんを演じた人だった。あの人、歌手だったのか。


実力はあるのに、ひとりだちはできないもどかしさ。
向こうのショービジネスの厳しさ、スターダムにのしあがる
ことの難しさがよくわかる。
ある女性は、ソロアルバムを出したのに売れず、結局コーラスに
戻ってしまう。「アレサ・フランクリンはひとりでいいんだ」と
いうシビアな反応が、すべてを物語っている。


登場人物を見ていると、結局のところ、歌はうまくても
(容姿を含めて)スター性が感じられない――というのが
残念なところだ。こればかりはどうしようもない。
そして、こういう人たちがひしめきあって、つねにのしあがろうと
しているアメリカのショービジネス界の厚みに、
あらためて感じ入ったのでありました。