脱いじゃった

スクリプターはストリッパーではありません」
(白鳥あかね著・国書刊行会刊)を読む。
著者はスクリプターとして日活その他で長年活躍してきた人。
スクリプターという仕事が、シナリオライター、助監督など
さまざまな要素も兼ね備えた、重要な仕事であるというのが
よくわかる。
この本はスクリプターの立場から見た日本映画史でもあり、
間近に接した監督や俳優、撮影現場でのエピソードの
数々が面白い。


なかでも面白く感動的なのは、タイトルとなったエピソードだ。
ロマンポルノを撮っていた上山田温泉で、協力してくれた
ストリッパーの女性たちと一緒に打ち上げをやったとき、
スタッフや著者が「お礼に私達が脱ぎましょう」といって
次々にストリップをしたら、女性たちが涙を流すほど笑って
喜んでくれた……という。
著者が上を脱ぎ、さらに下も脱ごうとしたら先輩の女性に
スクリプターはストリッパーではありません」とたしなめられて
やめた、という。
映画の現場の醸し出す、不思議な一体感や温かさがうかがえる、
いい話ではないか。


ワタシはロマンポルノの話題作は一応見ていたこともあり、
なかなか楽しめる本だった。片桐夕子、宮下順子、白川和子、
中川梨絵などのヒロインたちが、懐かしく思い出された。
そういえば、ロマン・ポルノスキーって監督もいたなあ……あ、
ポランスキーか(^_^;)