外商

「ナオミとカナコ」(奥田英朗著)を読む。
DVに悩む若妻とその友人が、夫を殺して完全犯罪をたくらむ、
サスペンスミステリー。
後半ははたしてこの二人のヒロインがうまく逃げおおせるのか、
ハラハラ・ドキドキの連続で、なかなか読ませる。


DV、登場する中国人のしたたかさ、監視カメラの多さ、GPS
ハッキングなど、現代的な要素がうまくまぶされて、
われわれはまさにいま、こういう時代を生きてるんだなあ、と
実感する。
読後の印象は、日本版「テルマ&ルイーズ」かなあ……と
いうものだった。


ちなみに、ヒロインのひとりが勤めているのは、一流デパートの
外商部門である。
デパートの外商といえば、ワタシにもちょっと接点があった。
いまも使っている書斎用のレカロチェアを、かなり以前に
日本橋M越の外商で買ったのだ。
電話で注文したら、配送トラックに外商の営業マンが
同乗してきた。玄関口でイスを受け取り、現金で支払い、
その場で領収書を切ってもらった。
電話一本で二十数万円のものが売れたのだから、向こうに
とってもいい商売だろう……と内心鼻高々だったのだが、
この小説を読むとギャフンと凹んでしまった。
なにしろ、外商のお客は、季節ごとの特別販売会とかに
招待されて、ぼんぼん気軽に金を使うとか。
いっぺんに数百万の買い物も珍しくないと
いうのだ((((;゚Д゚))))ガクガクブルブル
世の中、上には上がいるなあ……って、いまごろ分かって
どうする(^_^;)。すっかりめげてしまった。
外商だけに、心理的外傷……なんつってw