オバマと海街

オバマ大統領が広島を訪問するという。あちらは謝罪はしないと
言っているが、こっちだっていまさら謝罪を求める気はしない。
無辜の市民を虐殺したアメリカの戦争責任というのはあると思うが、
戦後のアメリカとの関係を考えると、いまさらそれを言っても仕方がないし、
もっと広い視野から、未来志向で世界の平和を追求するという
スタンスでオバマを迎えればいい、という気がする。


それにもうひとつ、声高に謝罪を求めなかったのは、
理由はどうあれ戦争を始めたのは日本であるという負い目から、
この不条理を黙って背負っていこうという、自責の念が
あったと思うからだ。
「あやまちは繰り返しませんから」という慰霊碑の言葉には、
そういった思いが読み取れる。


自責の念というと、つい想起してしまうのが、「海街diary」の
すずちゃんの言葉だ。
映画の後半、腹違いの姉(綾瀬はるか)に、夕食の支度をしながら、
「ごめんなさい」と言い出す。「奥さんのいる人を好きになるなんて、
お母さん、良くないよね」と謝るのだ。
生まれる前の話で、自分にはまったく責任はないというのに。
ここは海街でも好きなシーンで、つくづく、日本人らしい自責の念の
表現だと思う。
なにかといえば内省的になり、ついつい「自分を責めてしまう」日本人を、
切なくも愛おしく思ってしまう。
これを演じているのが、広瀬すずちゃんだからかもしれないが(^_^;)。


しかし、こういう内向きな心情は、外国人にはなかなか理解できない
部分ではないだろうか?
これが理解されなかったので、「海街〜」はカンヌでは賞を
取れなかったのでは?――と、そこまで考えてしまった。


まあとにかく、なんでも損得で考えるわけではないが、
黙ってオバマを歓迎し、訪問に感謝するほうが、日本にとっても
トクだろうと思う。
これがホントのオバマ利得……なんつってwww
(注:昔テレビによく出ていた、時事評論家デス)