居酒屋文化論

「呑めば、都」(マイク・モラスキー著)を読む。
著者はアメリカ人の大学教授で、居酒屋の権威という変わり種。
東京じゅうの居酒屋に入り浸るのはもとより、その行動範囲は日本全国に及ぶ。
この本は、日本の居酒屋賛歌であり、居酒屋から見た日本文化論でもある。


とくに多くの紙数を割いているのは中央線、なかでも西荻だ。
焼き鳥屋「戎」に関する論考?はとりわけマニアックで、
「本店の焼台付近に座るのは古い常連で、新参者やカップルは支店に行く」とか、
「焼台担当がほかの店に移ったら、常連も移動して本店が
がらすきになる」とか、ふんふんと頷けるエピソードが多い。
「飲みながら本を読んでいる常連がいる」なんて、そういえばいたいた、と
思わず笑ってしまった。
ワタシも戎にはよく通ったので、モラスキー氏とはニアミスしていた
可能性が高い。
まあ、通いすぎて痛風になってしまったが……(^_^;)


それにしても、居酒屋に詳しいことはもちろんだが、アメリカ人にも
中央線文化のわかる人がいる――という驚きで、一気に読んでしまった。
ちなみに氏はいま国立に住んでいるが、どうも土地柄が肌に合わないらしい。
まあディープな中央線は、中野から西荻までだもんなあ(^_^;)