トランボ

ツタヤの準新作レンタルで「トランボ」を見る。
バイクや自転車を乗せて運ぶミニバンが主人公の映画かと思ったら、全然違っていた(それはトランポw)。
ローマの休日」、「パピヨン」、「ジョニーは戦場へ行った」などの執筆で知られ、ハリウッドの赤狩りで業界を追われた名脚本家、ダルトン・トランボの実話だ。


ハリウッドを追われて仕事ができなくなり、どうするのかと思ったら、このオッサン、わりと楽天的で、B級C級映画のプロデューサーに売り込み、安いギャラで仕事を引き受けまくるのだ。
同様に干されたライターを集めてプロダクション化(?)、分業化して、せっせとシナリオを量産して稼ぐのである。
ギャラが安くなった分、たくさん書き飛ばしていく……というライター稼業の悲哀には思い当たる節も(^_^;)。
いやはや見習いたいバイタリティだ。


J・ウェイン、E・G・ロビンソン、カーク・ダグラスなど彼を取り巻く実在の俳優や業界人がぞくぞく登場するそっくりショーも楽しい。当時のハリウッドの赤狩り状況がよく分かる。
干されたし刑務所にも入ったけれども、のちに名誉も回復されたし、なかなかいい人生ではないか……と思った次第。


まあ、「ローマの休日」を書いただけでも大したものだ。
ちなみに原題の"Roman Holiday"とは、ローマ帝国時代、休日に奴隷の剣闘士を戦わせる見世物を市民たちが楽しんだことから「他人を犠牲にして楽しむ」といった意味がある、とか(wikiより)。


俳優では、なんといってもトランボを演じるブライアン・クランストンが素晴らしい。
ブレイキング・バッド」の化学教師とかこの役とか、ひどい目に遭うインテリ、といったキャラがじつによく似合う。
今回、気づいた事がある。このヒト、ブロンソンではないが、どうもヒゲがないと物足りない顔なのだ。
過去の出演リストを見ると、けっこう見ている作品はあるのに、あまり印象がないのは、ヒゲがなかったせいだろう。
これからは、すべからくヒゲをつけて演じたほうがいいと思うよん(^_^;)