湯が沸くほどの感動?

ツタヤの準新作レンタルで「湯が沸くほどの熱い愛」(中野量太監督)を見る。
「死にゆく母の熱い想いと、想像もつかない驚きのラストに、涙と生きる力がほとばしる家族の愛の物語」……という、いかにもな宣伝コピーに、眉につばをつけながら見ていたが、結局そのまんまだったので驚いた。
不覚にも、時々目から汗が……(^_^;)
いや〜、乗せられてしまった。じつによくできた映画だ。


映画的サプライズがいろいろ張り巡らされていることに感心した。
中盤の意外な展開に心底ビックリ、各所に散りばめられた伏線がみごとに回収され、
最後のちょっとベタだがうまいクライマックスに感心した。
この監督、これが商業用長編デビュー作だそうだが、映画がじつによくわかっているではないか。
俳優もみないいが、宮沢りえ杉咲花に目を奪われた。
さすが各映画賞で主演女優賞と助演女優賞を総なめにしただけある。とくに宮沢は、いまや日本を代表する女優、というオーラが漂っている。
いじめられていた娘が、意外な方法で立ち向かうのを見ていて、「やはり個別的自衛権で対応するしかないよな〜」などと思ってしまったのは時節柄か。


ところで、この映画は“幸の湯”という銭湯が舞台となっている。昔ながらの番台方式だ。
最近のマイブームでいくつか銭湯を回ったワタシの経験からすると、いまはみなフロント方式になっている。
入りやすさを考えると、幸の湯もフロント形式に変えたほうがいいと思うぞ(^_^;)